第2回 「未来の湘南、空室を作らない物件の運営方法」

第2回 「未来の湘南、空室を作らない物件の運営方法」

湘南の賃貸物件は、世代を問わず様々な層に支持されています。とはいえ賃貸物件のオーナーにとって心配なのは空室の数が増えることでしょう。このコラムでは湘南エリアの現状や未来像を踏まえつつ、空室対策を行っていく方法を解説します。

1.住まいとしての湘南のイメージ

1-1.  若い人にとって湘南で暮らすというのはステータス

神奈川県内にとどまらず、首都圏を含めても「湘南」という地域には一定のステータスがあります。「ステータス」という言葉だけに着目すれば、東京都内の港区や世田谷などを思い浮かべる方も多いと思いますが、それらが示す「ステータス」は主に「富裕さの象徴」でしょう。それに対して、「湘南」という言葉には「海」や「古都」、「歴史」「解放感」などを含む生活面全てでのステータスがあります。

中でも若い人の海に近い場所へのあこがれは、時代を経ても変わることはありません。実際の物件相場に関しても、若い人向けのワンルーム、1K、1DKの物件相場をベースにすると、横浜駅周辺より江ノ島電鉄沿いの由比ヶ浜駅、和田塚駅周辺の方が高い相場で推移することもあります。

これは関東でよく住みたいと言われている横浜よりも、実際の数値的には湘南のブランド力が確かに存在するという事を示しています。

1-2. 子育て世代も湘南を選ぶ

上記の賃貸物件の相場を2K、2DK、3K、3DKで考慮するとさらに顕著な結果が出ます。犯罪発生件数でみても、鎌倉市、逗子市、茅ケ崎市は神奈川県内でも少ない傾向にあり、子育て世代にとって安心して居住できる良さがあります。

参考:https://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesc0027.htm

また、働き盛りの世代にとって通勤時間は物件選びの重要な要素ですが、湘南エリアも都内中心部に対して十分に通勤範囲内です。藤沢、茅ケ崎駅周辺なら1時間前後で品川、新橋、渋谷、新宿にアクセスが可能です。

さらに近年、リモートワークやコワーキングスペースの普及から、都心に通勤する必要がないワークスタイルも徐々に増えてきています。こういった人々にとっても「都心から程よい距離感で、かつ治安が良い」という面から、新たな需要として注目されています。

1-3. 老後の生活の地としても人気

海や山などの豊かな自然があり、鎌倉を代表する寺社仏閣も豊富な湘南エリアは老後の人生を過ごす場所としても人気があります。また1950年代に「太陽族」という言葉でマリンスポーツを楽しんだ世代が、今まさに高齢層ですからこの世代は潜在的に「湘南」というエリアへのあこがれを持っています。

これらを踏まえると、湘南エリアに賃貸物件を持つという事はオーナーとしても非常に優位性を持っていると言えます。ここからは具体的に空室対策、賃貸物件で空室を作らないためのポイントなどを挙げていきましょう。

2. 賃貸物件のオーナーとして空室を作らないための基本ポイント

2-1. まずは立地を再確認し、そもそも空室対策をする価値があるのかを考える

そもそも立地が良くない物件というのはどうしても存在します。駅から遠い、袋小路の末端にある、騒音が激しいなど要因は多数ありますが、このような場所では費用を掛けてリノベーションをしても空室になってしまうことが多く、利益以前に費用回収も難しいかもしれません。その判断はなかなかに難しい場合がありますので、湘南エリアの特性を知った不動産管理会社と一緒に運営をしていくことが重要です。

費用を掛けても空室対策が難しい、といった判断も地元の賃貸事情に詳しい業者なら判断してくれる場合もあります。その場合は売却も視野に入れた検討を進めましょう。

2-2.  仲介業者を入れて紹介してもらえるように手配する

空室対策の前提として、まず入居希望者の候補を広く持つことは大変重要です。そのためには賃貸物件仲介業者を介し、物件を出来るだけ多くの人の目に触れてもらう必要があります。

2-3.  ペット可や外国人受け入れなど、条件を緩める

借り手が少ないかもしれないから、と言って安易に賃料を下げるのは得策ではありません。賃料を緩める前には、入居に関する条件を緩めることが対策のひとつとして挙げられます。

例えばペット入居可にするという方法。賃貸物件でペットを飼うことを許可している物件は意外と少ないです。そもそもの供給が少ないのですから、どうしてもペットと住みたいという人にとっては、少しくらい価格が高い物件でも候補として入れざるを得ません。オーナーとしては壁や床に傷がつくことなどで物件の価値が下がることを心配されると思いますが、ペットが済む前提のリノベーションができる不動産管理会社であれば、様々なノウハウを持っています。

また、外国人の入居も視野に入れるのも方法のひとつです。外国人というだけで「ルールを守れない」、「言葉が通じない」ということによるトラブルなどを想像されるかもしれませんが、日本人の保証人を立てることや収入確認を行うなどすれば、トラブルを未然に防ぐことも出来ます。

2-4.  既存入居者の満足を下げないようにする

既に入居者がいる場合は、満足度を下げないように配慮することも大事な空室対策です。退去された場合にはその物件の清掃や修繕費用が発生しますし、何よりも空室のまま数ヶ月利益に結び付かない状況も起こりえます。

物件を客観的に見て平均的な設備より見劣りするようであれば、ある程度のリフォームも必要かもしれません。予算が許せば人気が高い設備を追加するなども良いでしょう。また、上記のように入居条件を緩めて治安が悪くなってしまっても既存入居者の心象は悪くなりますから、しっかり管理を徹底しましょう。

まとまった設備投資は難しいという場合でも、定期的に満足度アンケートを行ったり、清掃を徹底したりといったこまめな配慮によって潜在的なクレームの芽を摘むことも出来ます。

2-5. 不動産テクノロジーを駆使して、マッチングを高めるように働きかける

今、「不動産テクノロジー」という言葉が業界をにぎわせているのはご存知でしょうか? ここ数年スマートフォンで物件検索するのはもはや当然の動きになっていますが、それもその動きのひとつです。物件情報がビッグデータとして扱えるようになったこと、消費者がそれにいつでもアクセスできるようになってきていることで、かつては不動産業者に足を運んでいた人が、スマホ上で物件探しができるようになったからです。

今後この動きはさらに加速すると考えられています。さらに細かい情報に素早くアクセスできるようになり、マッチングの範囲が広くなり、精度も高くなっていくことが期待できるでしょう。

3.湘南の将来を見据えた空室対策

3-1.  湘南の都市計画を把握する

湘南は今現在も人気がある地域ですが、未来に向かってそれを維持したり、あるいはさらに発展させたりするためのさまざまな取り組みが行われています。「湘南都市構想2022」は、行政ではなく市民が行う理想の街づくりとして注目されています。

また、公共機関では鉄道の利便性アップ、道路の拡充も計画されています。
「都市計画道路 横浜藤沢線」
「東海道新幹線 新駅設置の動き」
「いずみ野線延伸計画」
「相鉄線がJRや東急東横線に直結」
このようなインフラ整備が行われれば、人の移動や店舗の拡充に影響が現れますから、空室対策の在り方にも影響します。物件のリフォームや価格見直しなどもこれを踏まえて行う必要があります。賃貸物件のオーナーとしては地域のニュースなどを見逃さないようにしましょう。

3-2.  さらなる少子高齢化社会に対応できる物件作りを心掛ける

今後、日本では少子高齢化はさらに進んでいくと予想されていますから、現在若年層向けにしている物件でも頃合いを見て高齢者向けにリノベーションするなど、判断を迫られる時期がかならずやって来ます。かかる費用や物件相場の推移など見ながら長期的なリフォーム、リノベーションを計画しましょう。

3-3. 住みやすさに影響を与える情報をすぐにチェックできるアンテナを持つ

前の項目で紹介したようなインフラの整備だけでなく、観光需要の増減や大型店舗のオープンなど、賃貸物件はいろいろな要素に影響を受けることがありますから、賃貸物件のオーナーとしてはそれらの情報に常にアクセスできるようアンテナを持っておくことが必要です。

とは言え、不動産のプロフェッショナルでしか知りえない情報があるのも確かですから、物件管理を地元情報に精通した信頼できる会社に頼む事こそ、最上の空室対策と言えるかもしれません。

4.まとめ

湘南の賃貸物件についてのブランド力や、空室を出さないための対策についてまとめました。

湘南は若い独身層や子育て世代、高齢者に至るまでどの年齢層にも人気があるエリアです。首都圏へのアクセスや買い物事情などの良さという利便性を持ちつつも、海や山もあるほど良い田舎、まさに理想の地での暮らしを前面に押し出して、空室を作らない安定経営を行っていきましょう。